Windows 10パソコンは“悲劇のXP”と同じ運命をたどるのか?

Windows 10のサポートが終了して2ヶ月がたちますが、Windows 11への移行が進んでいないPCは、かつての『Windows XP』と同様の悲惨な運命をたどる可能性があるという記事に注目しています。
Windows 10がまだ動く「Windows 11未移行PC」は“悲劇のXP”と似た運命をたどる:すぐに移行できない場合の“一時回避策”も(1/2 ページ) - TechTargetジャパン システム運用管理
「Windows 10」サポート終了までに「Windows 11」への移行に取り組まないと、深刻な問題に直面し得る――。こう警告するセキュリティ組織が懸念するのは、かつて「Windows XP」で生じた問題の再来だ。
「XPの悲劇」とは何か?
記事で引き合いに出されている「XPの悲劇」とは、かつてWindows XPのサポートが終了した際に起きた世界的な混乱を指します。当時、使い勝手の良さや互換性の問題から、サポート終了後も多くの企業やインフラがXPを使い続けました。その結果、修正パッチが提供されないOSを狙ったサイバー攻撃(WannaCryなどのランサムウェア)が蔓延し、甚大な被害をもたらしました。
記事では、現在のWindows 10の状況が、この当時の状況と酷似していると指摘されています。
なぜ Windows 11 への移行が進まないのか?
Windows 10は非常に完成度が高いOSであり、多くのユーザーが「現状で不満がない」と感じています。
しかし、移行を阻む要因はそれだけではありません。
- ハードウェア要件の壁
Windows 11の厳格なシステム要件(TPM 2.0など)により、既存のPCがアップグレードできず、ハードウェアごとの買い替えが必要になる - コストと手間の増大
物価高やIT予算の圧迫により、パソコン買い換えの優先順位が下がっている
こうした背景から、サポート終了直前(あるいは終了後)になってもWindows 10がネットワーク上に大量に残り続けるリスクが高まっています。
「サポート終了後」に待ち受けるリスク
サポートが終了したWindows 10を使い続けることは、家の鍵をかけたまま窓を全開にして外出するようなものです。
- セキュリティ更新の停止
新たな脆弱性が見つかっても修正されないため、攻撃者の格好の標的になる - コンプライアンス違反
多くの業界規制やセキュリティ基準(ISMSなど)において、サポート切れOSの使用は不適合とみなされる - 業務停止のリスク
サイバー攻撃を受ければ、データの暗号化や流出により、ビジネスそのものが止まる恐れがある
結論:今すぐ「移行」の決断を
「まだ使えるから」という理由は、トラブル、特に業務で使っている場合はセキュリティ関連のトラブルが発生した瞬間に「なぜ対策しなかったのか」という責任追及へと変わります。
上記で紹介した記事が示唆するように、歴史(XPの悲劇)を繰り返してはなりません。
「いつかやる」ではなく、「今やる」。
Windows 11への移行計画を、最優先事項として見直す時が来ています。

ライタープロフィール
- フジデンキオーナー
-
菊地 弘尚 ーHirotaka Kikuchiー
フジデンキのなかの人
パソコンの販売と修理、サポート、ウェブサイトの制作を生業としています。
趣味はデジタルガジェット全般(ゲーム機は除く)。
https://note.com/penchi
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