SSDはずっと放置するとデータが消える!?長期保存に向かない理由とは

「外付けSSDに大事な写真をバックアップして机の奥にしまっている」
そんな方は要注意!
実は、SSDは「電源を入れずに長期間放置するとデータが消えてしまう危険性」があるのです。
今回は、なぜSSDが長期保存に向かないのか、その理由と対策をわかりやすく解説します。
なぜ放置するとデータが消えるの?
HDD(ハードディスク)とSSDの違いをイメージしてみましょう。
- HDD(ハードディスク)
磁石の力で円盤に記録します(カセットテープやビデオテープのようなイメージ)。磁気は電源がなくても比較的長く残ります - SSD
電気の粒(電荷)を小さな部屋に閉じ込めて記録します(充電池のようなイメージ)
SSDのこの「電気の粒」は、電源を供給されない状態が続くと、少しずつ漏れ出してしまうのです。
完全に漏れてしまうと、データは消失してしまいます。
これが「放置すると消える」理由です。

どれくらいで消えるの?(寿命の目安)
SSDの種類によってデータが保持できる期間は異なります。
- QLC(最近の安価な大容量SSDに多い)
電源なしで安全なのは約1年 - TLC(現在の主流)
約3年 - MLC/SLC(高価・業務用など)
5年〜10年
一般的なパソコンや、手頃な価格の外付けSSDの多くは「TLC」や「QLC」が使われています。
つまり、1年以上電源を入れずに放置するのは危険信号ということです。
SSDの種類についての詳細は下記の記事が参考になります。
SSDの種類ごとの違いは?MLCなどフラッシュメモリや接続規格ごとの特長
SSDは、データの読み書きがHDDより高速、衝撃に強く動作音も静かなど、さまざまなメリットを備えている便利なストレージです。しかし、実際にどのような仕組みでデータの保存を行っているのか、詳しくご存知ない方も多いかもしれません。
寿命は環境にも左右される 特に危険な条件は?
データの消失スピードは、以下の条件で早まります。
- 書き込み回数が多い(使い古したSSD)
- 保管場所の温度が高い
「たくさん使ったSSDを、暑い部屋の押入れにしまい込む」というのが、データにとっては最悪の条件と言えそうです。
フジデンキに持ち込まれた例
1年半前に購入したパソコンでWindowsが起動しないということで持ち込まれました。
検査するとSSDにエラーがあることがわかりました。
詳しくお話をうかがうと、購入後使わずに箱にしまったまま1年半保管しており、使おうとして出してみたら起動しなかった・・・ということでした。
普通に使っていたら起きなかった故障ですね。
どうすればいいの?(対策)
大事なデータを守るために、以下の点に気をつけましょう。
- 「長期保存用」としてSSDを使わない
「子どもの写真を10年後に見たい」といった用途で、SSDに入れて保管するのは避けましょう。
長期保存なら、定期的にデータを移し替えるか、HDDの方が(比較的)向いています。 - 定期的に通電する
外付けSSDなども、しまい込まずに数ヶ月に一度はパソコンに繋いで中身を確認しましょう。 - やっぱり基本は「バックアップ」
どんな記録媒体も「絶対」はありません。
クラウドストレージや別のHDDなど、複数の場所にコピーをとっておくのが最強の対策です。
まとめ
「SSDは速くて衝撃に強いから最強!」と思われがちですが、「電気を与えないと忘れてしまう」という弱点があります。
久しぶりに引っ張り出してきたSSDの中身が空っぽ・・・なんて悲劇を避けるためにも、定期的に通電してあげましょう。
ライタープロフィール
- フジデンキオーナー
-
菊地 弘尚 ーHirotaka Kikuchiー
フジデンキのなかの人
パソコンの販売と修理、サポート、ウェブサイトの制作を生業としています。
趣味はデジタルガジェット全般(ゲーム機は除く)。
https://note.com/penchi
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