Microsoft 365の違いを知る

Microsoftのサブスクリプションサービス Microsoft 365には用途別にプランがあり、内容にも違いがあります。
今回は個人と法人向けのプランについて解説してみます。

Microsoft 365 一般的なプラン

Microsoft 365には 個人および法人向け一般法人向け大企業向け教育機関向け の4つのカテゴリーがありますが、今回は一般的なユーザーが利用できる個人および法人向け(個人向け)一般法人向け(法人向け)のプランを取り上げます。

個人向け

プランMicrosoft 365 PersonalMicrosoft 365 Family
料金12,984円/年18,400円/年
ユーザー数1人1〜6人(アカウント)
Officeアプリ最大5台最大5台(1アカウントあたり)
OneDrive1TB1TB/1アカウント
Microsoft Defender
Clipchamp
Officeアプリ=Officeデスクトップアプリ

Microsoft Defender
Windows標準のセキュリティソフトの高機能版

Clipchamp
ブラウザで利用できる動画編集アプリのフル機能が利用可能

法人向け

プランBasicStandardPremiumApp for Business
料金(1ユーザー)8,976円/年18,786円/年32,988円/年12,420円/年
Officeアプリ×最大5台最大5台最大5台
OneDrive for Business1TB1TB1TB1TB
SharePoint×
Exchange×
Teams×
Defender for Business×××
Officeアプリ=Officeデスクトップアプリ BasicではOffice Onlineは利用可能 消費税別

※料金は2023年4月1日に改定され15%値上がりしました。

SharePoint
法人単位で利用できる共有サーバー
基本容量:1TB
追加容量:契約ユーザー数×10GB ※別途費用がかかる

Exchange
メールサーバー 初期アドレスや独自ドメインのメールが利用できる

Teams
ビジネス向けコミュニケーションサービス

Defender for Business
ビジネス向け高機能セキュリティソフト

各プランの詳細、利用できるサービスは、マイクロソフトのサイトで確認できます。

個人向けと法人向けの違い

利用できるサービスの内容が違いますが、アカウントなどの仕組みも違うのでそのあたりを紹介します。

アカウント

個人向け、法人向けともにマイクロソフトアカウントを利用することになりますが、このアカウント自体別物です。

個人向けoutlook.jp などのメールアドレスで作成する他、任意のメールアドレスも利用可能
法人向け職場または学校アカウントという名称で分けられ、Azure AD(Azure Active Directory)という
ユーザー管理機能を利用したアカウントを利用する
一般的には @********.onmicrosoft.com というドメインが使われる

個人向けはアカウントは個別に扱われますが、法人向けは管理者アカウントのもと、複数のアカウントを管理する仕組みになっています。

OneDrive

個人向け
一般的なOneDriveで1TB/アカウントの容量が利用できる

法人向け
法人向け法人向け
OneDrive for Businessになり、一般的なOneDriveとはシステムが違うSharePointのシステムが使われる
容量は1TB/アカウント

Officeデスクトップアプリの利用可能台数

個人向け(1アカウントあたり)
5台のパソコンで同時利用可能(インストール台数は制限なし)
利用=サインインということになり、5台を超えると利用頻度の低いパソコンが自動的にサインアウトされることで利用可能になる

法人向け(1アカウントあたり)
インストール可能台数5台
※実際に使ってみた結果では5台以上のパソコンにインストール可能、同時に5台以上起動して使えるかは不明

商用利用について

Microsoft 365の家庭向けライセンスで商用利用は可能か? という点ですが、これは日本独特の事情であいまいな表現ながら可能であるようです。
下記のページにライセンスに関する表記があるのですが、非常にわかりにくく、時々改定されるので理解しにくいです。

Microsoft License Terms

マイクロソフトは世界的にMicrosoft 365 Personal・familyは家庭向け製品で商用利用は不可であり、ビジネス用途(商用利用)ではMicrosoft 365 Businessシリーズを使うこととしています。
しかし日本では長年の利用形態から、「自宅でも会社でも利用できるOffice」が求められており、2014年10月から提供を開始した「Office 365 Solo(現Microsoft 365 Personal)」も、日本国内のみ商用利用を認めています。※その分日本での価格は高く設定されています。
つまり「世界的に商用利用NGだが、日本だけOK」ということになります。
蛇足ですが、Microsoft OfficeをプリインストールしたPC本体が普及しているのも日本独特の事情です。

個人向け、法人向け どちらを使う?

会社等で複数ユーザーでアカウントを持ち使う場合は、間違いなく法人向けです。
重要なのがアカウントの管理機能で、個人向けのアカウントの場合は各アカウントごと個別に管理されますが、法人向けは管理者がすべてのアカウントを管理できるため、退職や異動などで利用者が変わる場合でも管理者アカウントで管理できます
これはセキュリティやコンプライアンスの点で非常に重要です。

また、SharePointが利用できるプランではクラウド上に会社のサーバーを持つような使い方ができるのでデータの共有という点でもメリットがあります。

個人や家族で使うのであれば個人向けになります。
個人事業主でひとりで仕事をしているという場合は、個人向けでもいいでしょう。
日本国内で取得したライセンスであれば商用利用も可能ですので法的にも問題はありません。

法人向けは個人事業主でも契約ができるので、将来スタッフが増える予定であれば最初から法人向けを選択するのもありです。

まとめ

マイクロソフトの製品やサービスは詳細がわかりにくい点が多く、何かと戸惑うことが多いです。
フジデンキでも法人向け、個人向けそれぞれのプランを使って知識を得ているといった状況です。

買い切り型のOffice 2019やOffice 2021といった製品はサポート期間が短縮される傾向にあり(Office 2016までは10年、Office 2019では7年、Office 2021では5年)、今後個人向けでもサブスクリプションが主流になる可能性が高いので、そのあたりは準備しておく必要があるでしょう。

ライタープロフィール

kikuchi@fujidenki
kikuchi@fujidenkiフジデンキオーナー
菊地 弘尚 ーHirotaka Kikuchiー
フジデンキのなかの人
パソコンの販売と修理、サポート、ウェブサイトの制作を生業としています。
趣味はデジタルガジェット全般(ゲーム機は除く)。
https://note.com/penchi

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