マイクロソフトアカウント狂騒曲

ここ数年、マイクロソフトアカウントに関するトラブルが続発し、修理や再設定の際に大騒ぎになっている例をよく見かけます。

それは2013年に始まった

マイクロソフトはOffice 2013を2013年2月に発売しましたが、このバージョンからOfficeのライセンス(プロダクトキー)をマイクロソフトアカウントに紐付けるという仕様になりました。
製品はDVD等のメディアを付けず、プロダクトキーが記載されたカードを販売するスタイルになり、ユーザーはマイクロソフトアカウントでログインし、購入したプロダクトキーを登録してインストールプログラムをダウンロードをして、インストールすることになります。

インストールするプログラムはOfficeサイトにマイクロソフトアカウントでログインしなければ入手することができないため、多くのユーザーは新たにマイクロソフトアカウントを作成しインストールすることになったのですが、この時に作成したマイクロソフトアカウントをなくしてしまうと、プログラムを入手することができず再インストールすることができません。

ところが、これまでにない仕様のため、理解しないまま作業し(プロダクトキーがあれば安心とマイクロソフトアカウントの重要性を認識していない)、インストールできた時点で安心してしまい、作成したマイクロソフトアカウントのアカウントやパスワードのデータをきちんと保管しないまま時が過ぎてしまう例が続発しました。

パソコン購入時にインストールされていたOffice 2013に限っては、初回はプロダクトキーの入力のみで使用可能。再インストールなどでインストールプログラムが必要になった際に、マイクロソフトアカウントとの紐付け作業をする仕様でした。
Office 2016や2019、Premiumではインストール済みの場合でも、初回設定時にマイクロソフトアカウントとの紐付けが必要になっています。

マイクロソフトアカウントが不明=Officeが使えない

マイクロソフトアカウントが不明になった場合に困るのが、修理などでOfficeを再インストールしなければならなくなった時。
修理をお持ちになったお客様に「Officeの再インストールが必要になるので、マイクロソフトアカウントをお教えください。」と尋ねた時点で、初めてその存在に気づかれる方も多いです。
マイクロソフトアカウントがないと、Officeのインストールプログラムをダウンロードするサイトにログインできず、Officeを使うことができなくなってしまうことがわかって、初めて事の重大さに驚かれます。

全国各地からの電話やメールが・・・

マイクロソフトアカウントの事ならマイクロソフトのサポートに問い合わせよう・・・と思っても、電話の連絡先は見当たらず、メールやチャットでの対応になっているため、ネットを検索して当店に連絡される方が大勢いらっしゃいました。
フジデンキのブログ等でマイクロソフトアカウントについての記事をいくつも書いていたため、検索でヒットして問い合わせをしてくるというパターンです。

中には購入後3日目で再セットアップの必要が発生したものの、マイクロソフトアカウントが不明・・・という方も。
まさにマイクロソフトアカウント狂騒曲、といった状態です。

予感的中

Office 2013が発売された際、その新しい仕様を確認し「マイクロソフトアカウントを適当に扱って、再インストールできなくなるユーザーが大勢出そうだな。」と思っていたのですが、まさに予感的中でした。

フジデンキでは当初から、セットアップの際に作成したマイクロソフトアカウントは書面にしてお客様にお渡しし、その原稿は当店のサーバーに保管※するということをしているので、当店でパソコンを購入・セットアップしたお客様ではマイクロソフトアカウント絡みのトラブルは1件もありません。
※保管を希望されない方は除きます。

アカウントで管理する時代へ

iPhoneやMacなどApple製品ではApple ID、Androidスマートフォンやタブレット、ChromebookなどではGoogleアカウント、そしてWindowsやOfficeなどのマイクロソフト製品ではマイクロソフトアカウントと、製品やサービスがすべてアカウントで管理される時代になっています。
そのアカウントで契約、購入した製品やサービスはアカウントがなければ利用できません。購入した音楽が聴けない、ソフトが使えない、預けたデータが利用できない、ということが起きてしまうのです。

自分で利用するサービスのアカウント管理はしっかりと行うことが大切です。
この機会に改めてアカウントの確認と整理、しておきませんか?

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ライタープロフィール

kikuchi@fujidenki
kikuchi@fujidenkiフジデンキオーナー
菊地 弘尚 ーHirotaka Kikuchiー
フジデンキのなかの人
パソコンの販売と修理、サポート、ウェブサイトの制作を生業としています。
趣味はデジタルガジェット全般(ゲーム機は除く)。
https://note.com/penchi

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